大野会計コラム

令和8年度税制改正で不動産節税はどう変わる?

2026.06.27

不動産オーナーの方

相続についてお悩みの方

税制改正について

令和7年12月19日に公表された「令和8年度税制改正大綱」において、相続税・贈与税における不動産の評価方法が大きく見直されることになりました。これまで広く活用されてきた「タワマン節税」「アパマン節税」、そして不動産小口化商品を利用した節税スキームは、大きな転換点を迎えます。改正の要点と、資産家の方に今後求められる対応を解説します。

貸付用不動産:「5年ルール」の導入

・被相続人等が相続開始前5年以内に、対価を支払って取得・新築した賃貸アパートやマンション等については、従来の路線価・固定資産税評価ではなく、取得価額を基準とした金額の80%で評価されることになります。

・現金で不動産を購入し評価額を圧縮する「駆け込み対策」は、今後ほぼ効果を失うことになります。

・施行は令和9年1月1日以後の相続・贈与から。経過措置の詳細は今後の通達を待つ必要があります。

不動産小口化商品:取得時期を問わず時価評価へ

・任意組合型などの不動産小口化商品については、取得時期にかかわらず、事業者が示す適正な処分価格や売買実例価額等を参酌した金額で評価されます。これまでのような大幅な評価圧縮は困難になります。

・施行は令和9年1月1日以後の相続・贈与から。経過措置の詳細は今後の通達を待つ必要があります。

 

今後求められる対応

・令和8年中の贈与等、経過措置を活用できる期間の要否をシミュレーションで見極める。

・評価圧縮を目的とした短期保有型の対策から、長期保有・事業承継を前提とした賃貸経営への転換。

・超富裕層向けミニマム課税の強化も踏まえ、資産売却・組み替えのタイミングを総合的に設計する。

・暦年贈与・相続時精算課税・NISA等を組み合わせた、計画的な生前対策への切り替え。

 

今回の改正は、不動産を保有する資産家の方にとって影響の大きい内容です。

既に賃貸不動産や小口化商品をお持ちの方、これから取得や贈与を検討されている方は、早めに専門家へご相談いただくことをお勧めします。

当事務所では、改正内容を踏まえた資産全体の診断・対策のご提案を行っております。