大野会計コラム
- HOME
- 大野会計コラム
- 会社経営者・個人事業主の方へ
- 令和3年度税制改正「デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制の創設」
令和3年度税制改正「デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制の創設」
2021.05.11
会社経営者・個人事業主の方へ
税制改正について
1)創設の趣旨
新型コロナウイルス感染症の影響により、人同士の接触自体がリスクであるといった認識に加え、デジタル化の持つ潜在力が広く認識されるなど、我が国が直面していた産業構造の変化が加速しています。
こうした経済環境の変化に対応した大胆なビジネスモデルの変革(事業再構築・再編等)に取り組もうとする企業を後押しするため、DXの実現に必要なクラウド技術を活用したデジタル関連投資に対して特別償却または税額控除ができる制度が創設されました。
(2)制度の概要
産業競争力強化法の改正法「事業適応計画(仮称)」の認定を受けることが前提。
全てを満たす要件 | 対象設備
(注1) |
投資上限額
(注2) |
特別償却 | 税額控除
(注3) |
(デジタル(D)要件)
・他の法人等が有するデータ連携、共有 ・クラウド技術の活用 ・情報処理推進機構が審査するDX認定の取得 (企業変革(X)要件) ・全社の意思決定に基づくものであること ・一定以上の生産性向上などが見込まれること など |
ソフトウェア
繰延資産 器具備品 機械装置 |
300億円
|
30% | 3%(グループ外事業者とのデータ連携に係るものは、5%) |
(注1)繰延資産は、クラウドシステムへの移行に係る初期費用をいう。器具備品と機械装置は、ソフトウェアや繰延資産と連携して使用するものに限る。
(注2)投資額の下限は、売上高比0.1%以上
(注3)税額控除の上限は、カーボンニュートラル投資促進税制と合わせて当期の法
人税額の20%を上限
(3)事例
【大手小売】
・次世代ネットスーパーやスマートストア事業に着手。顧客データを活用した販促情報の提供や無人決済により顧客利便性を向上させることができます。
【中堅産業機械メーカー】
・販売会社と製造拠点とで生産・販売・在庫情報を共有し、計画立案や在庫調整の最適化を図ることができます。
・またロボット等の導入による工場の自動化が進みます。
(4)施行日
産業競争力強化法の改正法の施行日から令和5年3月31日までの取得等