大野会計コラム

令和3年度税制改正「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充」

2021.04.16

相続についてお悩みの方

税制改正について

 

(1)改正の趣旨

高齢者層が有する家計金融資産を若年世代に移転することにより、経済の活性化を図る必要があるため。

(2)改正前

項目 主  な  要  件
受贈者 ・贈与者の直系卑属

・贈与年の1月1日において20歳以上

・受贈者が居住する住宅家屋の購入・新築・増改築のための金銭の贈与

所得 ・受贈者の合計所得金額が2,000万円以下
対象住宅 ・床面積(注1)50㎡以上240㎡以下であること

・床面積の1/2以上の部分が専ら居住の用に供するものであること

取得期限 ・贈与を受けた翌年3月15日までに取得等(注2)
居住時期 ・贈与を受けた翌年12月31日までに居住
申告 ・受贈者は、贈与税の確定申告書を申告期限内に税務署へ提出すること

(注1)登記簿上の床面積、区分所有建物の場合は専有部分の床面積をいう。

(注2)一戸建ての新築請負工事等の場合は、3月15日時点で棟上げが終了している状態であればOK。

(3)改正後

① 面積および合計所得金額の要件

所得1,000万円以下 所得2,000万円以下 所得2,000万円超
改正前 50㎡以上240㎡以下 適用なし
改正後 40㎡以上50㎡未満 50㎡以上240㎡以下

② 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税限度額

契約締結日 改正前

令和3.4.1~3.12.31

改正後

令和3.4.1~3.12.31

種 類 省エネ等住宅 左記以外 省エネ等住宅 左記以外
新築10%課税 1,200万円 700万円 1,500万円 1,000万円
上記以外 800万円 300万円 1,000万円 500万円

③ 中古住宅の証明方法の拡充(令和4年1月1日以降の贈与税の申告書提出分より)

納税者から不動産識別事項(13桁の不動産番号)等の提供を受けることで、税務署が今

後、法務省の登記情報連携システムにアクセスし、不動産の登記情報(床面積等)を入手

できるようになることから、登記事項証明書等以外の証明方法が認められるようになり

ます。

(4)適用時期

令和3年分から適用されます。