大野会計コラム

令和3年度税制改正「セルフメディケーション税制の改正」

2021.04.09

税制改正について

2.セルフメディケーション税制の改正

(1)改正の趣旨

少子高齢化社会の中では限りのある医療資源を有効活用するとともに、国民の健康づくりを促進することが重要であり、国民が適切な健康管理のもと、セルフメディケーション(自主服薬)に取り組む環境を整備することが医療費の適正化にも資するため。

(2)制度の内容

種 類 主  な  要  件
目的 適切な健康管理のもとで医療用医薬品からの代替を進める
対象者 健康の維持増進および疾病の予防への取り組みを行う個人
医薬品 自己または自己と生計を一にする配偶者その親族に係る一定のスイッチOTC医薬品の購入対価
下限額 12,000円
控除限度額 88,000円
一定の取組 検診または予防接種(医師の関与のあるもの)

①特定健康診査②予防接種③定期健康診断④健康診査⑤がん検診

(3)改正後のポイント

① 医薬品の範囲の見直し

・スイッチOTC医薬品から療養の給付に要する費用の適正化の効果が低いと認められる

ものを除外します。

・スイッチOTC医薬品以外で療養の給付に要する費用の適正化の効果が著しく高いと認

められるもの(3薬効程度)を対象に加えます。

② 取組関係書類の添付不要化

健康の維持増進および疾病の予防への取り組みを行ったことを明らかにする書類(取組

関係書類)については、確定申告書への添付および提示を不要とします。

取組関係書類については、本人が5年間保存します。

(4)適用時期

① 医薬品の範囲については、令和4年分から適用されます。

② 取組関係書類の添付不要化については、令和3年分から適用されます。

(5)参考

令和元年の医療費控除の確定申告件数は、約125万件、セルフメディケーション税制は、わ

ずか約0.5万件でした。