大野会計コラム

良い社長12のポイント

2019.01.29

会社経営者・個人事業主の方へ

今日の不景気で倒産する中小零細企業が増えていますが、私の顧問先様の中にはいわゆる不況業種にもかかわらず頑張って好業績を上げている会社があります。
当初は、同業者がバタバタ倒産している中でなぜこの会社だけが高利益が上げるのだろうかと大変不思議でしたが、その社長と何度も現場で話したり、定例会議等に出席し、その会社の社長と社員さんとの熱心な議論に耳を傾けるうち、その理由が徐々にわかってきました。
社長が良いからなのです。
社長=事業経営であり会社を良くするのも悪くするのも景気や業種ではなく社長であるのです。
もう亡くなられましたが、有名な経営コンサルタントの一倉定(いちくらさだむ)氏も「経営心得」の中でこう述べています。
「いい会社とか悪い会社とかはない。あるのは、いい社長と悪い社長である。事業経営の最高責任者である社長は正しい姿勢をもたなければならない。」
以下に良い社長と悪い社長の特徴や性格をまとめました。

  良い(成功する)社長とは 悪い(失敗する)社長とは
1. 現場第一主義で頑張る(率先垂範) 現場は従業員任せ
2. 強い熱意がある 熱意がない
3. 謙虚さと素直さがある 傲慢で無責任
4. 強固な決断力 優柔不断
5. 仕事の責任は自分のせいにする(逃げない) 景気や部下のせいにする(逃げる)
6. 数字に明るい(決算書が読める) 数字に暗い(決算書が読めない)
7. 等身大 見栄っ張り
8. アンテナは高く腰は低く アンテナは低く腰は高い
9. 欲がある 強欲である
10. 仕事を追う お金を追う
11. 独裁者 独断者
12. 自分は運がいいと思っている 自分は運が悪いと思っている

現場第一主義で頑張る(率先垂範)

良い社長は、現場第一主義で自ら従業員の見ている前で率先して頑張っています。社長室の中にいるのではなく仕事の現場やお客様の所に足を運びます。従業員に汗水流して頑張っている後姿を見せる人です。
悪い社長は、「ああしろ、こうしろ」と従業員に指示だけを出し、自分がお手本を示さず、または現場に行かず仕事の結果だけを聞いて済ます人です。

強い熱意がある

良い社長は、事業経営に「熱意」があります。いかに才能があっても、知識があっても、熱意の乏しい人は何をなすべきかが思いつきません。 「たとえば、なんとしてでもこの二階に上がりたいという熱意があれば、ハシゴというものを考えつく。ところが、ただなんとなく上がってみたいなあと思うくらいでは、ハシゴを考えだすところまでいかない。どうしても、なんとしてでも上がりたい。自分の唯一の目的は二階に上がることだ。というくらいの熱意のある人がハシゴを考えつくのである。いくら才能があっても、それほど二階に上がりたいと思っていなければ、ハシゴを考え出すところまではいかない」(松下幸之助氏、道をひらく考え方)このように少々知識が乏しく、才能に乏しい点があっても、強い熱意のある社長の方が事業は成功します。

謙虚さと素直さがある

良い社長は、人の忠告を真摯に受け止め自分の悪かった点を素直に認める謙虚さと素直さを持ち合わせています。あの有名な経営の神様こと松下幸之助氏が毎朝晩枕元で「今日1日素直でありますように」と祈りかつ反省していたといいます。悪い社長は、たとえば事業の利益等の目標を立て、そのハードルを2回クリアするところまでは謙虚に周りの人に感謝の気持ちを表しますが、次の新しい3回目の目標をクリアした際には「自分が苦労し努力したからだ」と自分の手柄だけ褒めて従業員や周りの人に感謝しなくなり、謙虚さもなくなり、いわゆる「天狗」になってしまいます。こうなればいずれ事業もうまくいかなくなります。

強固な決断力

社長は決断力が必要であります。たとえ決断が間違っていても決断しないよりはましです。もし一度下した決断が誤っていたら後日訂正すればいいのです。良くないのはいつまでも決めずに優柔不断でふらふらしていることで、そのうち会社はダメになってしまいます。

仕事の責任は自分のせいにする(逃げない)

社長は責任感の塊でなければなりません。社長は、「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任である」と思い、「部下が何をしようとそれはすべて自分の責任である」というぐらいの心構えができていなければ部下からの信頼は得られません。従業員が社長を信頼することができないと、働く意欲を失い、士気が低下し、社長がいくら気合いをいれても応えてくれなくなります。

数字に明るい(決算書が読める)

良い社長は数字に明るく決算書も十分理解できます。一方、悪い社長は「決算のことはよくわからないから先生よろしく頼むわ」と言います。もし、社長が全く決算書の数字を勉強かつ理解しようとせず、全て税理士任せの会社経営を行っていれば、会社の業績は近い将来必ず悪くなります。社長はたとえ簿記が分からなくても、重要な項目だけでも理解できるよう努力しなければなりません。金融機関からの借入金の連帯保証人は社長がなっているので、倒産すれば大変なことになりかねないからです。そのような社長には税理士からの丁寧な指導が必要だと思います。

等身大

良い社長は、慎重かつ大胆で浮足立たず、いつも足を地に着けて仕事をします。自分の器の大きさをよく知っていて、決して器を大きくはみ出した決定はしません。そして、徐々に自分の器を大きくする努力も怠りません。一方、倒産した会社の社長の性格を一言でいえば「明るく元気で大ざっぱで見栄っ張り」が多いです。一般的にやり手の社長には「ええかっこしい」が多いので判断を誤らせないようよきアドバイザーが必要です。

アンテナは高く腰は低く

良い社長はいつも新しい情報を収集するためアンテナを高くしています。腰は低くしています。また頭は何のためにあるかはよく「使うため」という人がいますが確かにその部分もありますが、頭は下げるためにあると思います。使うより、下げる方がいい情報を仕入れることができると思います。

欲がある

「欲」を車で例えればエンジンです。欲なき人は前に進めません。良い社長は、理性というハンドルとブレーキでうまくコントロールします。一方、悪い社長は、大きなエンジンで、アクセルをふかしすぎて暴走し誰も止められなくなります。欲が強すぎますと「強欲」となり自分をコントロールできなくなり、その結果大失敗してしまいます。たとえば趣味程度に余裕資金で株式投資するのはいいのですが、大損をした部分を取り戻そうとして更なる過大投資をし、結果的に取り返しのつかない結果を招きます。これは投資ではなく投機です。欲が強すぎると自分を見失い、事業経営にも集中できなくなり結果的に倒産してしまいます。

仕事を追う

良い社長は、お金を追わず、仕事を追います。お客様に喜ばれる仕事、役に立つ情報を提供するために一生懸命働きます。結果的にいい仕事をすればお金は後からついてきます。無償で働くのではなく、適正な利潤を追求します。悪い社長は、お客様の利益ではなく自分の利益を第一に考えます。「先義後利」の考えはありません。このような会社は一時的には羽振りが良くなりますが決して長続きしません。なぜなら、世の中が求める仕事をしないからです。

独裁者

良い社長は「独裁者」が多いです。これを聞いてびっくりされた方もいると思いますが「独裁者」の社長は、いろんな人の意見を十分聞いたうえで最後は自分で決め、命令する人です。勘違いしてはいけないのは、社長がすべての事に権力をふるって勝手なことをすることではなく、社長ただ一人が事業経営の全責任を負うことです。民主的経営とか合議制など多数決で決めるのではありません。一方、悪い社長は「独断者」で、誰の意見も聞かず自分勝手に決めて命令する人です。

自分は運がいいと思っている

良い社長は自分は周りの人よりいい運勢を持っていると思っています。仕事で成功している人は「運が良かっただけ」という答えが返ってくることが多いです。同じ成功でもうまくいったのは自分の実力であると考える人は注意しなければなりません。一方、悪い社長は、運が悪いから…、景気が悪いから…。従業員が悪いから…。などと言って周りの責任にし、謙虚さがありません。

まとめ

社長は孤独です。
会社の中でいちばん苦労や心配をする役が社長です。
しかしこれが社長の仕事です。いやなら社長を辞めなければなりません。
私は、これからの税理士の仕事としてお客様に税金に関する情報をしっかり伝えることも大切ですが、同時に社長の話をじっくり聞いて「良い社長」になってもらえるよう税金以外のアドバイスができることも重要であると思います。
また、私自身も小規模ではありますが事務所の所長として、日々反省し研鑽を重ねたいと思っています。