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税務署活用術 Part1
2016.01.29
会社経営者・個人事業主の方へ
目次
税務署に質問をしても、なんだか納得のいく回答が得られない…。そんな風に感じたことはありませんか? 今回は税務署の職員から、自分に必要な答えを引き出すちょっとしたコツを、2回に渡りご紹介します。
Point 1. 重要な質問は必ず会って直接
重要な質問や込み入った質問を電話でしていませんか? 税務署が遠くて面倒だ、忙しくて時間が取れない、など事情は様々だと思いますが、重要な質問はできるだけ税務署に足を運び、直接訊くことが大事です。
なぜなら、電話で最初に応対する職員は新人職員の場合が多いのです。税務署は新人職員に仕事を早く覚えてもらうよう、積極的に電話応対させています。また勉強の一つとして出来るだけ本人に答えさせるように指導している場合が多いです。そのため、納税者に対して誤った回答をする例も見受けられますので、重要な質問はできる限り税務署へ足を運び、直接訊くようにしましょう。
Point 2. 窓口で『審理官』または『審理担当者』を呼び出す
税務署へ足を運んだら、窓口で応対した職員に「審理官または審理担当者(※)お願いします」と告げましょう。最初に窓口で応対する職員も電話の場合と同様、新人職員の場合が多いのです。 『ポイント1』と同様、納税者に誤った回答をする例も見受けられますので、窓口で応対した職員にいきなり用件を話すのではなく、審理官または審理担当者(以下「審理官等」と表記)に面接を依頼しましょう。なお、審理官等は調査等で留守にする場合がありますので、事前に電話予約をしておくとよいでしょう。
※税務職員及び納税者から税法の質問等を専門に受ける専門官。個人・法人・資産の各部門に配属。
Point 3. 質問事項はあらかじめ紙に書いておく
質問の内容は、あらかじめ紙に書いて持っていきましょう。問答集等のコピーを持参するのもいいでしょう。 税務署は基本的には「税金をとる所」ですから、税務署の回答も「税金をとる」方向で検討する場合が多いです。もし、事前にある程度調べて質問した等にもかかわらず納得いく回答が得られない場合には、「どの問答集またはどの条文に載っていますか?」などその法律根拠の説明を求めるのがいいと思います。このようにしつこく聞くことにより、相手に自分の熱意が伝わり、難しい質問でもきっちり調べてくれます。
Point 4. 必ず記録を取る
質問の回答を聞いた場合、質問内容・回答内容・回答日時と税務署名・部門・回答者氏名(フルネーム)を記録しておきましょう。
万が一税務署が誤った指導・回答してもキチンと記録として残しておけば、たとえ後日税務調査等で問題点を指摘されても、認められる可能性が非常に高いです。もし記録等がなければ、誤った指導・回答について「言った・言わない」の水掛け論になり、仮に裁判しても納税者は必ず負けます。よって、調査時のリスクを回避するため、回答等の記録を残すことをお勧めします。やむをえず電話で質問する場合も同様です。