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一般社団法人等に対する贈与税・相続税の課税強化
2018.01.25
相続についてお悩みの方
目次
一般社団法人等(注)を用いた相続税対策に歯止め
一般社団法人等が相続・事業承継のツールとして注目されていました。
一般社団法人等には、出資者や株主が存在しないため持ち分がなく、相続時に相続税が課税されません。
従来は相続のたびに親から子へ、子から孫へと「財産権の移転」が発生し、相続税を納めなければいけませんでしたが、一般社団法人を親の代で設立していると、代替わりしても「経営権の移転」ですみました。
つまり実質無税で親から子へ、子から孫へと財産を継承できたのです。
しかし、平成30年度の改正でこのスキームに歯止めがかかりました。
(注)等には一般財団法人を含む
一般社団法人等に対して贈与等があった場合の贈与等の課税強化
個人から一般社団法人等に対して財産の贈与等があった場合に下記の一定の要件(①~⑤)全てを満たさなければ贈与税が課税されることが明確化されました。
- 組織運営が適正であること
- 定款等において役員等に占める親族等の割合が1/3以下であるとする旨の定めがあること
- 定款等において解散時の残余財産は、国に帰属させる旨の定めがあること
- 寄附をした個人や役員等に特別の利益を与えないこと
- 法令違反、仮装、隠蔽の事実がないこと
特定一般社団法人等(注1)に対する相続税の課税強化
特定一般社団法人等の役員が死亡した場合には、当該特定一般社団法人等が、次の計算式で計算した金額に相当する金額を当該被相続人から遺贈により取得したものとみなして、当該特定一般社団法人等に相続税が課税されます。
相続税課税対象額=特定一般社団法人等の純資産額÷その死亡時における被相続人含む同族役員(注2)
(注1)特定一般社団法人等とは、①相続開始直前における同族役員数÷総役員数>1/2または②相続開始前5年以内において同族役員数÷総役員数>1/2が3年以上の一般社団法人等をいう。
(注2)同族役員とは、一般社団法人等の理事のうち、被相続人、その配偶者、3親等内の親族その他被相続人と特殊の関係がある者(被相続人が会社役員となっている会社の従業員等)をいう。
適用時期
上記の改正は、平成30年4月1日以後の一般社団法人等の役員の死亡に係る相続税について適用されます。ただし、同日前に設立された一般社団法人等については、平成33年4月1日以後の役員の死亡に係る相続税について適用されます。