大野会計コラム

税理士によって全く違う相続税の納税額

2012.01.29

相続についてお悩みの方

相続税に関して、この分野が得意な税理士であるかそうでないかによって、納税額が全く違ってくることをご存知でしょうか?

土地を多くお持ちの場合

相続税をできるだけ低く抑えるためには、所有している土地の評価額を抑えることが肝心です。聞いてみれば最もな話なのですが、相続税が得意分野でない税理士には、実行するのは難しいのが現実です。逆に、不動産に強く、高度な土地評価の知識を持つ税理士であれば、税法上認められる範囲内での最小の評価額を算出することができるのです。さらに「広大地の評価」を行えば、相続財産中の土地の割合が多いほど、相続税を安くすることができます。

中小企業のオーナーの場合

会社が土地を多く所有している場合には、自社株の評価額に大きく影響します。また、会社に対する多額の貸付金を有している場合には、回収見込みがない場合であっても、貸付金が全額相続財産に含まれてしまいます。しかし事前対策を行うことにより相続財産を圧縮することができ、相続税額を減らすことが可能です。

顧問税理士がいて、すでに相続税を納められている場合

すでに相続税を納めたけれど、多く収めすぎているのでは?という懸念がある場合、申告期限後5年以内であれば、更正の請求ができ、返金してもらうことが可能です。しかしやはりこれに関しても、土地評価に関しての知識や税務署との交渉など高度な専門知識と経験が必要なため、その税理士が相続税を得意とするかどうかで結果が大きく変わってくるのです。顧問税理士がいる場合でも、セカンドオピニオンとして相続税を得意とする税理士に相談されることをおすすめします。

相続税対策

相続税は財産課税であり、超過累進税率によって課税されることから、大口資産家は現金納付が困難なケースが大半です。そのため、換金しやすい土地を貸し駐車場などに利用し、いつでも相続税の納付ができるような工夫をしているケースも少なくありません。
しかし、そのような処分可能な資産は、当人にとっても優良な不動産であることも多く、相続税の納付のために優良資産を処分し、処分・換金が困難な資産や収益性の低い不動産ばかりが残ってしまえば本末転倒です。
相続税対策は、①相続税を軽減させる対策 ②納税資金を増加させる対策 この2つをうまく組み合わせて実行していくことが重要になってきます。また、「争族」対策もしっかり行うことが必要です。

当事務所の相続税対策

相続の発生と申告期限を基準に、下図のような範囲ごとに最適な対策を行います。

Aゾーンの場合
相続の発生より1年以上前
・生前贈与を活用した対策
・生命保険徹底活用による対策
・不動産管理会社設立による対策
・自社株の対策(会社を持っておられる方)
Bゾーンの場合
相続の発生前1年間
・遺言書の作成
・資産の種類別の直前対策
Cゾーンの場合
相続の発生から10ヵ月間(申告期限まで)
・根抵当権の引継ぎ
・遺産分割の工夫
・申告書作成
Dゾーンの場合
申告期限から1年間
・相続税の申告額が過大である場合の更正請求
Eゾーンの場合
申告期限から1年を越えてから3年間
・税務調査の対策
・相続税の取得費加算の活用による譲渡所得税の軽減