大野会計ブログ
距離感
2014.05.08
大野会計ブログ
(的場 康志)
御陰様で私の長女もこの4月から無事に社会人の仲間入りさせていただきました。
就職活動については、本人がいろいろと探していく中で、自分の納得のいく企業様と巡り合せていただくことができたようです。
私も妻も志望企業様については、口を挟まないようにしていましたので、自分なりに色々と調べたようで、関西のメーカー様に無事に就職させていただくこととなりました。
4月の入社式で配属が決まるとの事でしたが、本人は総合職希望で入社させていただいており、おそらくは営業職に配属であろうとの事でした。
3月に大学を無事卒業した娘に、少しでもメーカーの事を把握する参考になればと思い、 私の書棚から、10年以上前に読んだ、「ザ・ゴール」という書籍のシリーズを数冊、出してきました。
「ザ・ゴール」とは、イスラエル出身の物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士の著作による生産管理や経営理論について書かれた内容で、4冊ほどのシリーズとして、15年ほど前に出版されたものです。
営業職とはいえ、メーカーに勤務する娘にとって、いわゆるサプライチェーンマネジメントの基本的理論の1つくらいは知っておいても損はないかなという程度に、娘に渡してみたのですが。 もともと読書の好きな娘でしたので、企業小説風に書かれた読みやすさもあって、気に入ってもらえたようでした。
そして、4月の配属発表において、娘は「購買部」に配属させていただくことができました。
ご存じの方もたくさんおられるとは思いますが、製造現場の要請に応じて、材料や資材を仕入れていく部署であり、企業様のコスト管理や生産計画の一翼を担う役割をメーカーにおける購買部署が務めておられます。
ザ・ゴールで描かれているような世界の入り口に、娘は立たせていただくことができたのかも知れません。
かつて私が読んでいた本を、帰宅後、時折、読み返している娘の姿を見て、父親としては、少し嬉しく思います。
しかし、本の内容はあくまで理論であり、いわば理想的な世界が描かれており、生きた人間が関わり合う現場での実践とは違います。
これから、娘は、実践が必ずしも理論通りにはいかないことを感じることもあるでしょう。
私がそうであるように。
「翻訳は距離感が大事。原文とかけ離れた内容の翻訳ではもちろんいけない。けれども、原文に近づきすぎて、内容が理解できない翻訳でもいけない」と、
吉高由里子さん演じる安藤ハナさんが、アルバイト先の編集長から贈られた言葉です。
これから社会人として仕事をしていく娘も、理論と実践の距離感を、自分なりの言葉や感性で埋めていってくれることでしょう。
これからの彼女の頑張りを父として見守っていければと思います。