大野会計ブログ

なぜ、セブンイレブンのおでんはおいしいのか?

2013.12.03

大野会計ブログ

(大野 圭代)

なんだか新書のタイトルのようになってしまいましたね。

セブン好きが高じてつい手に取ったこの本、鈴木社長の著書ですが、「うーんなるほど!」と唸ること必至です。

これを読むとセブンのおでんや食パンが美味しい理由が納得できます。

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成長したい企業さんや経営者の方には最適な経営指南書、というか人生訓というか…。

お商売はどこに向かうべきかが見えてきます。

 

特に感銘を受けたのは、「お客様のために」ではなく、「お客様の立場に立って」方針を決めるべきだと断言されているところです。

「お客様のために」と言いながら自分達のできる範囲内や、今ある仕組みの範囲内で考えたり行っている、つまり自分達の都合が優先されている場合が多いということです。

例えば「赤飯おこわむすび」という商品は、最初工場にある炊飯生産ラインで「炊いて」いたそうですが、味が違います。赤飯は本来「蒸す」ものです。試食をした社長はすぐに赤飯のためだけの「蒸す」設備投資をしたそうです。かなりの金額だったそうですが、「赤飯おこわむすび」はそのモチモチの美味しさで大ヒット商品になったそうです。

売り手の都合の範囲内で「一生懸命やる」のと、お客様の都合に合わせて「正しい事をやる」のとでは全く意味が違うのです。

そういった鈴木社長の方針が今日のセブンを作り上げたのですね。

 

また、真の競争相手は同業他社ではなく、「絶えず変化する顧客ニーズ」そして異業種間競争と認識されています。

例えば、外食産業とコンビニ。

コーヒーをめぐって喫茶店やカフェとコンビニ。

既存銀行とセブン銀行。

コンビニ関係以外では、ゲーム機メーカーとスマホのオンラインゲーム。

CD販売のレコード会社とiTunes。

などなど、昨今はインターネットの普及によって突然とんでもないところから競争相手が現れる…というめまぐるしい時代ですが、それらも全て消費者にとって「便利」だからです。

自分たちは「専門家」だからよくわかっている…ではなく、素人目線で不便さやニーズを感じることができるよう心を素直にしておくことも大切です。

答えはいつもお客様の中にあると同時に自分の中にもあるのです。

 

異業種間の競争については内田和成さんの著書、「異業種競争戦略」にも詳しく書かれています。大変興味深いです。

それから楠木建さんの著書、「ストーリーとしての競争戦略」もおススメです。

(この本は特に面白いです!!)

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私達はモノを売るコンビニ業界とは少し違いますが、「お客様の立場に立って」物事を考える「視点」を持つということでは同じです。

常に心がけたいと思います。

 

さて、本を読んで気持ちが新たになったところで、あったかい「おでん」を買いに行きますか~!

(味しみ大根、サイコー!家族用セットも出ました!)