大野会計ブログ

ビットコイン等の仮装通貨の課税について

2017.12.20

大野会計ブログ

(大野 修)

ビットコイン等の仮装通貨を売却又は使用することによる生ずる利益について、平成29年12月1日に国税庁から個人課税課情報(第4条)が出されました。

この情報によりますとその利益は原則として雑所得に区分され、所得税の確定申告が必要になります。雑所得は総合所得なので、他の給与や事業所得等の所得と合算され、累進課税となります。その利益に対する(所得税+地方税)税率は、15%~最高税率は55%にもなります。また、雑所得は損失が出ても翌年以降の損失繰越し控除もできません。

一方、上場株式などの売却益については20%課税で済み、売却で生じた損失は、翌年以降3年間の控除ができますので、ビットコインの売却益に対する課税は、株式売却等と比べると非常に重いものと感じられます。

国税庁の情報(12月1日)に記載されていましたQ&Aの一部(以下3つの事例)を記載させていただきます。

(例1)仮装通貨を売却(日本円に換金)した場合の所得計算は?

(問)仮装通貨購入:3月9日に2,000,000円(手数料込み)で4ビットコインを購入

仮装通貨売却:5月20日に0.2ビットコインを110,000円(手数料込み)で売

(答)110,000円(売価)-(2,000,000円÷4)×0.2(取得価額)=10,000円(所得

金額)

(例2)仮装通貨で商品を購入した場合の所得計算は?

(問)仮装通貨購入:3月9日に2,000,000円(手数料込み)で4ビットコインを購入

商品購入:9月28日に155,000円(手数料込み)の商品を購入し、0.3ビット

コインを支払った。

(答)155,000円(商品価額(注))-(2,000,000円÷4)×0.3(取得価額)=5,000

円(所得金額)

(注)上記の商品価額は、日本円で支払う場合の消費税込みの金額をいいます。

(例3)仮装通貨と仮装通貨との交換した場合の所得計算は?

(問)仮装通貨購入:3月9日に2,000,000円(手数料込み)で4ビットコインを購入

他の仮装通貨購入:11月2日他の仮装通貨(時価600,000円)と購入決済に1

ビットコイン(手数料込み)を使用した。

(答)600,000円(他の仮装通貨時価)-2,000,000円÷4(取得価額)=100,000円(所

得金額)

今ビットコインの相場は急上昇していますが、ビットコインの取引している方は、もしその得た利益を申告しなければ税務当局へ取引情報が回り、2~3年後には間違いなく税務調査により追徴されることとなりますので、注意してください。